コーヒー

私はコーヒーが好きだ。

 

コーヒーの味が好きなのはもちろん、コーヒーを飲んでいる時間そのものも好きだ。

コーヒーを飲んでいる時は、何故かゆっくり流れるように感じられる。

 

大学生の頃まで私は、あっまあまの砂糖たっぷりコーヒーを飲んでいた。

アイスコーヒーを飲む際にガムシロップが無ければ、熱湯に砂糖を溶かして自作していたのが懐かしい。

父親がそのあっまあまコーヒーを1口飲み「あっまぁぁあ」と顔をしかめていた。

余談だが父親は私より、めっぽう甘いものに目がない人間であるにも関わらず、コーヒーはブラックを好んだ。

 

そんな私も今ではブラック派の仲間入りを果たしている。

先日、たまたま砂糖入りのコーヒーを飲む機会があったが、かつての父親のように私は「あっっま!!」とつい口にしてしまった。

 

甘いに決まっているのだ。砂糖を入れているのだから。

クッキーを食べて「あっまー!!」と言う人はいるだろうか。

きっと言う人がいたしても、それはポジティブな意味であって、コーヒーに対するそれとは根本的意味合いが異なるように感じる。

 

やはり、コーヒーに関してはブラックで飲むことがかっこいいと言う暗黙の共通観念があるのではないだろうか。

かく言う私もブラックコーヒーを飲めなかった時期に「ブラックで。」と、コーヒーをオーダーする人を見るとなんとも言えないジェラシーを覚えたのを記憶している。

 

ブラックは苦い。

歳を重ねると、舌が大人になってブラックコーヒーが飲めるようになるのではなく、科学的には味覚が鈍感になってくるようだ。

(これはビールを初めて飲んだ際に美味しいと感じないことにも共通する気がする。)

これから考えると、ブラックコーヒーが飲めない人に「お子ちゃまだな〜」と言うのは筋違いなのである。

だがやはり、ブラックコーヒーを飲めることをかっこいいと、少なくとも筆者は少しばかり考えてしまっている。

だから最初のコーヒーが好きな理由に「ブラックコーヒーをゆっくりと嗜んでいる自分も好き。」と言う理由も追加しておこう。

 

こんな記事を書いているとコーヒーが飲みたくなる。

 

淹れよう。

 

と思ったら日記を書くことに集中して既に淹れていたコーヒーを冷ましてしまった。

 

まぁ、ホットでなくてもいいか。

ブラックであることには変わりないのだから。